視界が悪い時にはスピードを出し過ぎないように注意し、非常事態に備えて常に歩行者が飛び出すのではなど、思い込みながら対処できるように運転に集中しましょう。
速度を抑える理由はもう1つ。濡れた路面では制動距離が伸びるのです。
止まるまでの距離がのびる
ご存知の通り、乾いた路面と比べると濡れた路面ではタイヤのグリップ力が変わるので、停車するまでの距離が伸びてしまいます。
時速60kmで走行時に急ブレーキをかけて停車するまでの制動距離は、乾燥路面で20mと言われています。
同じ速度で濡れた路面で急ブレーキをかけて停車するまでの距離は28mになり、8m長く進んでしまいます。
咄嗟の急ブレーキでも間に合わなければ意味がありません。雨の日は普段の走行よりも車間距離にゆとりを持ち、急なブレーキを避けましょう。
ハイドロプレーニング現象
そして濡れた路面での急ブレーキはハイドロプレーニング現象に繋がる恐れがあります。
これは路面とタイヤの間に水膜ができタイヤが滑ってしまう状態です。こうなると、ハンドルもブレーキも効かないまま進んでいってしまいます。
氷の上を滑っているのと同じ感覚です。
回避法は、ブレーキを踏まず、しっかりとハンドルを握りエンジンブレーキで速度を落としていくしかないです。
あとは、物に当てて止まるか、ガードレールに車体を擦り付けて速度を落とすかの捨て身の方法しか対処がないのです。
そんな怖い体験をする前に防ぐ方法はタイヤの点検です。
溝が少ないタイヤだとどうしても水がはけていかないので溜まりやすく、路面とタイヤとの間に水の膜ができてしまいます。これがハイドロプレーニング現象を起こす原因となります。
スタッドレスタイヤは雪用のタイヤ、ノーマルタイヤは春から秋にかけて履くもので、雨用のタイヤと考えて良いです。雪道と同様に停止する時にグリップが必要になるので溝がある方が強い力を発揮できるのです。